2006年9月アーカイブ

フィドラーの「十戒」

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小社 弦価格表2006より "木製道具としての弦楽器" フィドラーの「十戒」
copyright Shibuya Gengakki

[1]弦を1本か2本だけ替える時は完全五度を期待してはならぬ。
他の弦が未だ大丈夫に見えたとしても、ガットに汗が浸透して音の鳴りを悪くしているかもしれません。
 
[2]ヴァイオリンのボディを手でつかんではならぬ。
手の油や汗がつくからです。これはニスに悪いことは言うまでもありません。楽器はネックの所を持ち、もう一方の手であごあてか、 その下のエンドピンを持つと楽器はきれいに保たれます。
 
[3]楽器を手にした時、特に見ている場合は、楽器に息を吹きかけたり、その上でおしゃべりをしてはならぬ。
乾いてしまった唾というものは、なかなかきれいにならないものです。
 
[4]ほこりや松ヤニを表板に積もらせてはならない。
これは、楽器の振動を妨げるもとになるからです。使用後は必ず柔かい布できれいにふき手指のあとや、松ヤニを少しでも残さないで下さい。 よごれ過ぎの場合は、修理専門家にそうじしてもらうのが一番安全です。弦は、アルコールを浸したぼろ布で頻繁にふきなさい。 きれいな布は自由自在に振動します。ボディには一滴もたらさぬこと。
 
[5]年がら年中、駒や魂柱やバス・バーのことでやきもきしたり余計な手を加えたりしてはならぬ。
ひとたび専門家によって調整してもらったなら、そのままそっと幸せにさせておいて下さい。気候の変化による魂柱の上げ下げが必要な時は、 修理専門家に相談して下さい。
 
[6]湿気たっぷりのケースに楽器を入れっぱなしにしておいてはならぬ。
楽器のケースの中に入っている布も皆良く乾かしなさい。しかし、楽器や付属品を再びしまうのは、ケースがすっかり冷えてからにして下さい。 乾燥したケースは楽器に良くない湿気を吸いとってくれます。反対に湿ったケースは楽器の状態を増々悪くしてしまいます。
 
[7]糸巻きの調子が悪い時、ペンチを使ったり、 力ずくで引っぱったりしてはならぬ。
そうすることにより、糸巻きや糸巻き受けをだめにし、さらに悪くすれば、うず巻きをふっ飛ばしてしまうでしょう。
 
[8]駒を指版側に傾かせてはならぬ。
実質的に弦の長さが短かくなるので、左指の位置がずれてしまうだけでなく、駒自体がゆがんたり、そったり、 最悪の場合はバチッと倒れて表板にわれをつくることがあります。そうならないためにも日頃から駒をまっすぐにする習慣づけをして下さい。 人差し指で支えながら両手親指で押すとうまくいきます。
 
[9]楽器は出しっぱなしにしておいてはならぬ。
熱やホコリを避けていつも乾いたケースにしまって下さい。また、たとえロックがしてあっても車の中に楽器だけ残しておくのは禁物です。 常に楽器を持って出なければいけません。停っている車の中の温度は異常に高くなる事があるからです。 車を走らせている時もケースをリヤウィンドーの前などに置いてはいけません。ガラスがレンズのような働きをする時があるからです。
 
[10]あなたは大事な楽器を、充分に楽器を知らない人にいじらせてはならぬ。
知識不足のために過去多くの楽器が取り返しのつかない事になっています。修理屋さんが確かな腕の持ち主かどうかをよく調べて下さい。また、 修理屋さんがいじる時も、どういう理由で、どういう方法でいじるのか必ず知っておくことが大事です。後悔先に立たず。安全第一です。
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